前回はURデルバーに黒を足すことのメリットとデッキを紹介しましたが、もちろん黒を足すことで生じるデメリット・弱点が出てきます。

タイトなマナ基盤で基本地形が取れないので、もれなく不毛の大地に引っかかり、血染めの月や発展の代価といったアンチ特殊地形カードにも弱くなるなどが挙げられます。
また、URデルバーより火力が少なめのため、最後の一押しに欠けるというのも正直見過ごせないところです。

ではグリクシスデルバーはURデルバーの下位互換デッキなのでは?と言われてしまいそうですが決してそんなことはありません。
それらのデメリットを押してでも黒を足すメリット、むしろデメリットを上回る可能性は前回で述べたように十分にあるのです。
幸いにも、黒はサイドボード含めそのデメリットを補えるだけのカードがあります。

まず血染めの月に関してですが、スニークショーのような先手1ターン目ぶっぱに対してはどうしようもありませんが、これはURデルバーについても結局島が1~2枚しかないのでどちらもキツイことには変わりありません。(まあ単純にURデルバーには月はサイドインしない可能性が多いですが)
2ターン目以降なら、フェッチから基本地形を持ってこれない代わりにセラピーを採用している分、張られる前に対処できるので、デメリットを補うことができます。

発展の代価についても同様で、しかも月のように序盤にぶっぱできず、ある程度土地が並ぶのを待ってから撃たないといけないし構える必要があるので、セラピーで抜くのが割りと容易で相手のテンポも落としている分月よりもまだ楽と言えます。


そして不毛についてですが、確かに土地単やロームデッキといった不毛を何度も使い回すデッキに対しては、基本地形を持ってこれない分URデルバーより格段に弱くなるのは間違いありません。
しかしテンポデッキや続唱、デスタクなどのデッキに対してはどうでしょうか?これはテストプレイの結果、割られてもほとんど痛くないということが分かりました。

まずこちらが不毛を採用していないので17枚が(実質)すべての色マナを出せ、10枚のフェッチから、こちらが動きたいときには確実に色マナを出すことができ、そこから12枚のドロー操作と超軽量生物、軽量除去にピッチスペルという構成なので、マナ基盤は十分確保でき不毛により最序盤の展開を阻害されることはまずありません。
初速の展開が他よりも早いということは、相手からすれば、不毛の役割である「序盤自分が若干でも有利な盤面であれば不毛で展開を遅らせたり事故を起こす」という使い方ができなくなり、ただの無色しか出ない土地と化します。
盤面が互角なときや不利なときに不毛を撃ったとしても、単に墓地肥やしに貢献してドロー操作を撃つターンを増やし、巡航を撃ち易くさせているだけです。
あとは、こちらが盤面有利の状態で巡航を使えば、土地事故など起こることもなくアド差で押し切ることができるのです。


それでは最後に暫定のサイドボードについて見ていきます。黒を足したことによるURデルバーにない強みをより発揮できるところではないでしょうか。

夜の戦慄・・・対デスタク・未練トークン対策。硫黄の精霊にない軽さと対処されにくさが一番の魅力。

ラクドスの魔除け・・・墓地対策とアーティファクト破壊を兼ね備えるナイスサイド。一見忘れがちな3番目のモードも、ストームのトークンやエルフに刺さるので侮れない。

残響する真実・・・青いカードで一見ただのバウンスなのですが、非常に汎用性が高く、実はこのグリクシスデルバーにうってつけのカード。
タルモ等の乗り越えられないクリーチャーのバウンス、未練や天使トークンの一掃、虚空の杯や罠の橋、謙虚などの一度置かれたら対処できない置物への対策が主な使い方ですが、真価を発揮するのはセラピーと併用したとき。同名のパーマネントをバウンスからセラピーで根こそぎ持っていく動きはまさに詐欺の一言。
実際テストプレイで、タルモ2体が並んで押されていたときに残響からセラピーで落として、一気に形勢逆転したこともあります。おすすめ。

暗黒破・・・これはデスタクなどのやっかいなシステムクリーチャーや対URデルバーを意識した追加の除去枠。エルフにもよく効く。

その他にサイドに検討しているカード
青霊破・・・対URデルバーの他、バーンの大歓楽や発展の代価、スニークショーの騙まし討ちや月対策にもなるので2枚ほど入れたいかも
悪意の大梟・・・アドが取れて、セラピーのFBの種にも使えるので悪くないが、やや後ろ向きか?
強迫・・・追加のハンデス&ピーピング。バーンにも効くが大歓楽を落とせないのは痛いか。
狼狽の嵐・・・ストーム対策や打ち消し合戦のお供に。
外科的摘出・・・0マナで撃ててハンドも確認できるのがよい。罰する火やロームの他、強制的にシャッフルさせるので、ブレストでハンド隠しにも強い。

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