グリクシスパイロマンサー解析③
2016年11月3日 Magic: The Gathering コメント (2)前回の続き、次はグリクシスパイロマンサーの弱点・苦手なデッキについて解説します。
<奇跡デッキ・エルドラージには不利>
この2つのデッキに弱いというのがグリクシスパイロマンサーの最大の課題で、エルドラージは全盛期に比べると数は減ってきていますが非青デッキの中ではまだまだ見るデッキですし、奇跡に関しては依然としてトップメタを走り続けています。
まず、対奇跡について。グリクシスは色の関係上エンチャントに触れることが不可能な上ほとんどの呪文が1マナ域に寄っているので、独楽相殺がかなりキツイロックとなります。しかも独楽も相殺もコストが軽く、序盤でうまくハンデスを決めないといけません。仮に初手で揃っていなくても、トップから引いてこられた場合意志の力で妨害する以外の対処がないのも厳しい所以です。
また、クロックも少数の生物から成っているデッキなので、ソープロの的になりやすく除去耐性もありません。ヤンパイの横並びには終末という最悪な回答もあるので、生き残り続けることがなかなかできません。
序盤の独楽相殺でロックから首尾よく土地を伸ばされ、終末で更地になったところでメンターもしくはジェイス着地でフィニッシュされるのがよくある負けパターンのひとつです。
ですので基本的にはサイド勝負で何とかするしか方法はないと思っています。針・無のロッド・苦花・ヴェンディリオン・紅蓮破など、対奇跡に効くサイドを多く取っているのもそのためです。メインでももう少し勝てるように構築する方法もありますが、そのために重いカードを重視して除去を減らしてしまっては、他のデッキも取りこぼしてしまう危険もはらんでいるので、今のところは考えていません。
次に対エルドラージですが、奇跡の独楽相殺と同じくチャリスX=1が致命的なので、序盤でこれを妨害できなければまず負け。そして仮に妨害できたとしても、20体以上もいる生物群を捌き切るのが難しく、特に難題の予見者と現実を砕くものが辛いです。魂の洞窟経由で唱えられたら意志の力を使うこともできません。
とはいえ、こちらはメインから悪意の大梟を2枚取っておりダレッティで時間を稼いだり、ダク・フェイデンで装備品を奪うこともできるので、奇跡ほど厳しいマッチにはならないかと思います。
サイド後も追加の除去やアーティファクト破壊に血染めの月もあるので、チャリスで事故らなければまだなんとかなると思います。
では最後に、今後の調整として入りうる有用カードについて考察たいと思います。
ヴリンの神童、ジェイス・・・
対奇跡を強く意識した場合、悪意の大梟の代わりに入る余地があると思います。表面のルーター能力がこのデッキにマッチしている反面、裏面の-3能力は歓楽者の着地速度に影響するのは無視できないデメリットとなり注意が必要です。
死儀礼のシャーマン・・・
メインからの墓地対策として中盤以降のクロックとして、またマナ加速は歓楽者の着地の邪魔をしないので一見相性抜群・・・と思われます。しかし、その分スペースを圧迫するので非生物呪文が少なくなりヤンパイや歓楽者の餌が減るというのがひとつ、このデッキの基本的な動きである、序盤にハンデスで除去を抜き少数のクロックを安全に着地させるという部分が、1T目に着地させたい死儀礼はあっさり除去の的となり破綻しやすくなってしまいます。クロックが増えるのは決して悪くない選択肢ではあるものの、調整はその分難しくなりそうです。
反逆の先導者、チャンドラ・・・
以前のカラデシュ注目カードのひとつとしても書きましたが、全ての能力がマッチしている上に対奇跡にも効果抜群。しかし問題は4マナという重いコスト。土地が3枚で歓楽者とチャンドラがハンドにあった場合、歓楽者を着地させてしまうかチャンドラを着地させるまで待つかがかなり悩ましいことになりそう。
<まとめ>
3回に渡ってグリクシスパイロマンサーについて解析していきました。
全体的には丸い部類のデッキであり、そこまで大きな有利不利というデッキはないのが特徴で、尚且つ巡航・探索時代を彷彿とさせる歓楽者の3ドローの爆発力がとても魅力的な、使い込むほどに面白いデッキになっています。レガシーの現環境で、これほどドローの気持ちよさを味わえるデッキはそうないと思います。
結果もそれなりに残せているので、デッキの完成度としても自分の中ではある程度煮詰まってきていると思いますが、弱点も上の項目で書いた通り明確に存在しているので(しかもトップメタのデッキ)、いかにその部分を解消しつつ歓楽者と併用できる構築ができるか、もしくは割り切って使い込めるが課題です。
この記事で少しでもグリクシスパイロマンサー、そして騒乱の歓楽者に興味を持って使ってみようと思ってもらえたら幸いです。
<奇跡デッキ・エルドラージには不利>
この2つのデッキに弱いというのがグリクシスパイロマンサーの最大の課題で、エルドラージは全盛期に比べると数は減ってきていますが非青デッキの中ではまだまだ見るデッキですし、奇跡に関しては依然としてトップメタを走り続けています。
まず、対奇跡について。グリクシスは色の関係上エンチャントに触れることが不可能な上ほとんどの呪文が1マナ域に寄っているので、独楽相殺がかなりキツイロックとなります。しかも独楽も相殺もコストが軽く、序盤でうまくハンデスを決めないといけません。仮に初手で揃っていなくても、トップから引いてこられた場合意志の力で妨害する以外の対処がないのも厳しい所以です。
また、クロックも少数の生物から成っているデッキなので、ソープロの的になりやすく除去耐性もありません。ヤンパイの横並びには終末という最悪な回答もあるので、生き残り続けることがなかなかできません。
序盤の独楽相殺でロックから首尾よく土地を伸ばされ、終末で更地になったところでメンターもしくはジェイス着地でフィニッシュされるのがよくある負けパターンのひとつです。
ですので基本的にはサイド勝負で何とかするしか方法はないと思っています。針・無のロッド・苦花・ヴェンディリオン・紅蓮破など、対奇跡に効くサイドを多く取っているのもそのためです。メインでももう少し勝てるように構築する方法もありますが、そのために重いカードを重視して除去を減らしてしまっては、他のデッキも取りこぼしてしまう危険もはらんでいるので、今のところは考えていません。
次に対エルドラージですが、奇跡の独楽相殺と同じくチャリスX=1が致命的なので、序盤でこれを妨害できなければまず負け。そして仮に妨害できたとしても、20体以上もいる生物群を捌き切るのが難しく、特に難題の予見者と現実を砕くものが辛いです。魂の洞窟経由で唱えられたら意志の力を使うこともできません。
とはいえ、こちらはメインから悪意の大梟を2枚取っておりダレッティで時間を稼いだり、ダク・フェイデンで装備品を奪うこともできるので、奇跡ほど厳しいマッチにはならないかと思います。
サイド後も追加の除去やアーティファクト破壊に血染めの月もあるので、チャリスで事故らなければまだなんとかなると思います。
では最後に、今後の調整として入りうる有用カードについて考察たいと思います。
ヴリンの神童、ジェイス・・・
対奇跡を強く意識した場合、悪意の大梟の代わりに入る余地があると思います。表面のルーター能力がこのデッキにマッチしている反面、裏面の-3能力は歓楽者の着地速度に影響するのは無視できないデメリットとなり注意が必要です。
死儀礼のシャーマン・・・
メインからの墓地対策として中盤以降のクロックとして、またマナ加速は歓楽者の着地の邪魔をしないので一見相性抜群・・・と思われます。しかし、その分スペースを圧迫するので非生物呪文が少なくなりヤンパイや歓楽者の餌が減るというのがひとつ、このデッキの基本的な動きである、序盤にハンデスで除去を抜き少数のクロックを安全に着地させるという部分が、1T目に着地させたい死儀礼はあっさり除去の的となり破綻しやすくなってしまいます。クロックが増えるのは決して悪くない選択肢ではあるものの、調整はその分難しくなりそうです。
反逆の先導者、チャンドラ・・・
以前のカラデシュ注目カードのひとつとしても書きましたが、全ての能力がマッチしている上に対奇跡にも効果抜群。しかし問題は4マナという重いコスト。土地が3枚で歓楽者とチャンドラがハンドにあった場合、歓楽者を着地させてしまうかチャンドラを着地させるまで待つかがかなり悩ましいことになりそう。
<まとめ>
3回に渡ってグリクシスパイロマンサーについて解析していきました。
全体的には丸い部類のデッキであり、そこまで大きな有利不利というデッキはないのが特徴で、尚且つ巡航・探索時代を彷彿とさせる歓楽者の3ドローの爆発力がとても魅力的な、使い込むほどに面白いデッキになっています。レガシーの現環境で、これほどドローの気持ちよさを味わえるデッキはそうないと思います。
結果もそれなりに残せているので、デッキの完成度としても自分の中ではある程度煮詰まってきていると思いますが、弱点も上の項目で書いた通り明確に存在しているので(しかもトップメタのデッキ)、いかにその部分を解消しつつ歓楽者と併用できる構築ができるか、もしくは割り切って使い込めるが課題です。
この記事で少しでもグリクシスパイロマンサー、そして騒乱の歓楽者に興味を持って使ってみようと思ってもらえたら幸いです。
コメント
パイロマンサー主軸のミッドレンジは、いつも組みたくても上手くまとまらず、構築を先送りしてデルバー型を使い続けているので実際に使用されている方の記事はとても参考になりました。
歓楽者4積みとダクのルーターがとても気持ち良さそう‥
訪問&コメントいただきありがとうございます。
過去の日記を見ていただけたら分かるかと思いますが、歓楽者をフル活用するために試行錯誤を繰り返し、ようやくここまでたどり着いた感があります・・・。
ドローは本当に気持ちよすぎて中毒になります!唱えたときの相手のゲンナリした顔は、まさに巡航・探索時代そのものですので、良ければ試してみてください。