前回の日記でエルドレインの王権の注目カードとして挙げた神秘の聖域ですが、まさに奇跡デッキにとってうってつけのカードと言えます。

奇跡デッキと言えば、コントロールデッキとしての性質上島が並びやすく、マナ基盤安定化のためにフェッチも多用し、終末や相殺のようなライブラリートップを操作することが重要なので、神秘の聖域は中盤以降の奇跡呪文や相殺の積み込みとして非常に相性が良く、そうでなくてもトップ勝負にも連れ込んだときのブレストやソープロ、議会の採決を使い回すだけでもなかなか強力なため、是非ともこれをベースとした構築をしたいところ。

しかし既存の奇跡デッキのレシピに入れるだけでは完全に噛み合っているとは言い難く、例えば基本に帰れと相性が悪いなどで十分なポテンシャルを引き出しているとは言い切れない部分もあります。
ですので今回は、奇跡デッキの強みをそのままに神秘の聖域をいかに有効に活用できるかを考察し、新しい奇跡デッキを構築していきたいと思います。


まず前提として神秘の聖域の能力を使うには島を3枚以上出している必要がありますが、これが実は既存の奇跡デッキにとって意外とネックな部分になっています。
ソープロや終末、中盤以降の議会の採決や至高の評決を撃つために序盤に平地を1〜2枚置かなくてはいけない状況が多々存在するので、そうなると神秘の聖域の能力を使うタイミングが平均すると6〜7ターン目以降となり、ゲーム後半にならないと活用できない可能性が高くなってしまいます。また、平地をサーチするためのフェッチも多数消費してしまうので、せっかく神秘の聖域を入れても「積み込みたい時に積み込めない」という状況に陥りやすくなり、そうなれば神秘の聖域は基本の島以下の使いにくい土地でしかなく本末転倒です。それに神秘の聖域は積み込みとしての利用以外にもサイド後のサージカル回避としても使いたいため、やはりできるだけ早く能力を使いたいところです。
もちろんTundraを置けば島としてもカウントできるので解消するための選択肢ではありますが、不毛の大地の存在がある以上ほとんどの状況では序盤に積極的に出したいものではありません。

そんな既存の奇跡デッキではやや使いにくくなってしまう神秘の聖域のネックな部分を全て解消してくれるのが、アーカムの天測儀です。

アーカムは元々4色デッキやジェスカイカラーのコントロールデッキなど3色以上のマナ基盤安定化のために用いられていますが、ここでは一見大して必要のない2色且つ基本地形が多数入れられている奇跡デッキで敢えてアーカムを利用するというのが今回の構築の1番のポイントです。
もちろんアーカムの基本の役割は色マナ安定化なので、色の違うダブルシンボルを序盤に用意しやすくなるという意味でも奇跡デッキでは十分役には立ちますが、今回の神秘の聖域を活用した奇跡デッキで使用する真の目的は、「序盤に島ばかり並べられる」ことと「フェッチを温存できる」ことです。基本の島しか並べていなくてもアーカムがあればソープロなどの除去を飛ばすことができ、そうすることでフェッチから平地をサーチする回数が減るためフェッチを温存することができ、より神秘の聖域で積み込みたいタイミングでフェッチを使えるということに貢献してくれます。

以上を踏まえた上でそれ以外にも様々なシナジー等を考慮し、完成したレシピがこちらです。


3僧院の導師
3
4思案
4渦まく知識
4アーカムの天測儀
4剣を鋤に
4相殺
2呪文貫き
3任務説明
1ドビンの拒否権
2議会の採決
2精神を刻む者、ジェイス
4意志の力
3終末
37
6冠雪の島
2冠雪の平地
1Tundra
1カラカス
2神秘の聖域
4溢れかえる岸辺
4汚染された三角州
20

※SBは割愛


トップ操作の自由度が上がったことにより、相殺とのシナジーを重視し4枚フル投入。これによりロックはもちろん除去耐性の低いメンターを守りやすくします。
アーカムはハンドを減らさずメンターのトークンを生成してくれるという意味でもこのデッキとは相性抜群。
神秘の聖域の枚数に関しては、複数回使いたい場面は多くありますがやはりハンドには来てほしいカードではないため、残念ながら2枚が限界のようです。

この構築でアーカム以外の重要なポイントとして任務説明を採用しているところです。瞬唱とは違い直接のアドバンテージを稼げませんが、採用にはもちろんそれなりの理由があります。
まず、アーカムのおかげで青ダブシンが手軽に唱えられるようになったのと相殺フル投入のため諜報によるトップ操作のシナジーを重視しているのがひとつ。
次に、神秘の聖域のおかげで終末が奇跡で撃ちやすくなり、瞬唱自身も巻き添えになるためブロッカーとしての役割がそこまで重要にならないという点。
また神秘の聖域と相殺のシナジーを考えた場合、瞬唱だと生物なので墓地から積み込むことができず他の2マナ呪文の枠を必要としてしまうのがネックになりますが、任務説明なら能動的に使って墓地に落とせるので2マナ域の積み込みがしやすくなり、枠も圧迫しません。
後は当然ではありますがメンターのトークン生成が1枚で2回できるというのも理由のひとつ。

枠の関係上もありますがPWは直接の勝ち手段にもなるジェイスのみにしています。3マナテフェリーや3マナナーセットも捨てがたいですが、ここに3マナ域を消費してしまうと、任務説明を採用しているポイントと同じく神秘の聖域でトップに戻せる呪文が少なくなってしまいトップ操作を十分に活用できなくなってしまうのと、相手の行動を制限する手段は相殺が着地すればそれで十分なため、今回は採用を見送りました。

打ち消し呪文に関してですが、相殺を早期に着地させるためや後手からでも序盤のレンと六番やコンボに対抗できるようピアスを2枚取っています。相殺さえ着地させれば妨害手段はなんとかなるので軽さを重視。
1枚挿しのドビンの拒否権は、代わりに対抗呪文かもしくは相殺の3マナ域を増やすのも兼ねて否定の力が有力候補で、この辺りはメタによって調整したいと思っています。

フェッチは全て島か神秘の聖域を持ってこられる土地だけに絞っています。アーカムがあると白マナはこれと溢れかえる岸辺だけでも十分確保できるので、神秘の聖域を持ってこられない虹色の眺望や青を含まない白系フェッチというノイズになりうる土地は採用しなくて済みます。メインでは基本に帰れを入れていないので、デプス対策のお守りとしてカラカスも採用しています。


デッキ構築についてのの大まかな考察や解説は以上です。

個人的にあまり時間のかかるコントロールデッキはあまり好みではなく大会でもほとんど使ったことはありませんが、今回の構築した奇跡デッキは調整したり回してみると面白くかなり気に入ったので、次回の大会は一度これを持ち込んで試してみようかなと思っています。

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